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2軒の町家を対角線の軸で再構成する
京都・河原町四条から少し南に下った町家が並ぶ一角。
2棟の町家の間に奥へと向かうトンネル路地があり、その先に家々が並ぶ。
そのトンネル路地に面した縦列する2棟の町家をリノベーションし、鍼灸院として再生させた。
縦列する2棟は、間口が3.5m、奥に21mと極端に細長い空間となる。
それを効率良く使うために2棟の町家に対角線の軸を設定し、それに沿って機能を配置した。
道路側を鍼灸のための施術棟とし、トンネル路地を通ってプローチする奥を瞑想するためのリラクゼーション棟とした。
2棟の間は中庭と縁側でつながっている。
道路側から1.6mセットバックした位置を外壁面とし、
街に対して距離をとると同時に延長した床がベンチになっていて
ちょっとした滞留場所を街に提供している。
施術棟では、町家の古い柱と梁、土壁をかわすように床を斜めに通し、
その両側に施術室や待合い、給湯スペースを配置した。
対角線の軸に沿って、道路から中庭へと視線が抜けていく空間である。
対して、リラクゼーション棟では瞑想室・水回りを2つの白いボリュームとして配置した。
ボリュームの隙間を歩くように巡る空間となっている。
中庭が室内に入りこんできたり、床が外へと延びて飛び出したり、
内部と外部の境界が揺らいだ建築である。
障子や縁側などで中と外が曖昧にすることで快適さを求めたのは昔の日本人の住まいの知恵であるが、
現代的にアレンジした中間領域は人々に癒しを与える。
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